バーベキューグリルの選び方(4)
「バーベキューグリルの選び方」シリーズ第4回。
シリーズも4回目を迎え、様々な場所で(ぼちぼち)反響を頂くようになりました。
直接お問い合わせを頂くケースも増えています。
相談無料ですのでお気軽にどうぞ!
(ちなみに、当協会ではバーベキューグリルの販売・斡旋は行っておりません。ご購入を検討の場合は存分に比較検討の上ネット・実店舗などでお買い求めください)
さて、今回は「第3の選択!電気グリル」と題して電気式グリルについてお伝えする予定でしたが、前回の記事をFacebookページでシェアしたところ、「ガス式ラバロックグリルについて言及がない!」とのツッコミを頂きました(笑)
前回チラッと述べたように、バーベキューグリルは「味」と「手軽さ(利便性)」を追求して様々な工夫がなされています。
細分化していくと凄いことになるわけなんですが、せっかくリクエストを頂いたことですし、今回は電気グリルを中心に、その他のマイナーなグリルのご紹介もしていきたいと思います。
(4)日本ではマイナーなグリルたち
●電気グリル
電気式のバーベキューグリル。
日本人にはあまり馴染みがないと思います。
ホットプレートとどう違うの?と思った方も多いのではないでしょうか?
安心して下さい。ホットプレートと同じです(笑)
電気グリルは熱源に電気を使うグリルのことですから、基本構造はホットプレートやオーブントースターと同じ。
使用感も、屋外で使用できるホットプレート/オーブントースターだと思って頂ければ間違いありません。
「えー!ホットプレート!?家電じゃん!!」
と思った方もいると思います。
その通りです、家電なんです(笑)
・バーベキューグリルが家電化する理由
なぜバーベキューグリルが「家電化」しちゃうのか。
日本人の感覚で分かりやすいように「ご自宅で家族や友人とたこ焼きパーティーをする」ケースを考えてみましょう。
みなさんは、どんな道具を使いますか?
こだわり派の中には、業者が使うようなプロパンガス式のたこ焼き器を使う!という方もいらっしゃると思います(実際に、屋台みたいな本格的なたこ焼き器を使ってプロ並みのたこ焼きを振る舞われる方も知ってます)。
でも、恐らくそれは少数派。
多くの方は家電量販店やホームセンターで売られている電気式のたこ焼き器を使うんじゃないでしょうか?
味や一気に焼ける量では劣るかもしれませんが、簡単で、手軽にできて、パーティー気分を味わえる。
あくまで「パーティー」が主眼であって、プロ並みの料理を味わいたいわけじゃない。
それなら、電気式の「家電」で充分じゃないか。
そんな感覚の方の方が多いと思います。
アメリカ、カナダ、オーストラリアなど、バーベキューが盛んな国では「バーベキューグリルでこれと同じ現象が起きている」わけです。
バーベキューはパーティー文化。
主眼はあくまで「パーティー」です。
パーティーの楽しさを、手軽に、頻繁に味わいたい。
面倒なことはしたくない。
そんな思いを突き詰めた結果、バーベキューグリルが家電化したもの。
それが電気式バーベキューグリルです。
・とにかくお手軽!電気グリルのメリット
そんな電気グリルですから、そのメリットはとにかく「お手軽」なこと。
電源さえあればスイッチ1つで点火し、火力調整も思いのまま。
食材さえあればすぐ焼き始められる。
さらに、電気式は炎が上がりませんので二酸化炭素や水蒸気の発生も皆無。
締め切った屋内での使用も可能で、ご家庭での使用に関しては時と場所を選びません(ホットプレートと同じ)。
また、スイッチの切り忘れ防止タイマーやサーモが付いていたり、安全性が高いのも特徴です。
また、「燃料の残量を気にする必要が無い」というメリットもあります。
チャコールグリルやガスグリルだと、炭やプロパンの残量を常に気にする必要がありますが、電気グリルは(コンセントに繋いでいる限り)燃料の残量を気にする必要はありません。
ちなみに、オーストラリアでは電気グリルがかなり一般化しているようで、公共施設(公園)などのバーベキュー場にはコイン式の電気グリルが設置されている場所が多いそうです。
電気グリルが採用されている理由は、このメリットによるところが大きいでしょう(ボンベを交換する必要が無いので、LPガスより管理が簡単で人件費もかからない)。
もう1つの特徴が、家電ならではの多機能性。
こちらはまだまだマイナーな分野ですが、写真のように、スピーカーを内蔵しiPodを接続して音楽が楽しめるグリルが出回り始めています。
「パーティー」という点にスポットを当てた家電ですから、今後もこのような多機能商品が発売される可能性は高いんじゃないでしょうか。
そのうちプロジェクター内臓のものとかが出てくるかも?(笑)
・電気グリルのデメリット
一方、電気グリルのデメリットとして挙げられるのは、「本格的な料理に向かない」こと。
基本構造がホットプレートと同じですから、火力という点ではどうしてもガスグリルやチャコールグリルに劣りますし、炎が上がらないためスモーク料理や焼きマシュマロのような「炙る」調理には向きません。
料理の幅という意味では、チャコール・ガスの各グリルには一歩も二歩も譲ることになるでしょう。
また、電気を熱源としますので、当然ながら電気が通ってないところでは使えません。
「アウトドア、キャンプに!」と銘打って携行できるサイズのものも発売されていますが、電源が確保されているオートキャンプ場やバンガロー泊ならばともかく、本格的なアウトドア環境では使用不可能。
ポータブルタイプの電気グリルは、使用できる環境がかなり限定されたグリルと言えるでしょう。
●まとめ
電気グリルは、お手軽さがウリの家電感覚のバーベキューグリルです。
こだわりの料理は目指さない、お手軽にバーベキューパーティーができる利便性をひたすら追求する、という方に向くグリルだと思います。
自宅やお庭で使う前提のグリルと言えると思います。
●他にもあるぞ!日本ではマイナーなグリル
日本ではマイナーですが、世界にはさまざまなグリルがあります。
ざっくりとご紹介します。
・薪グリル
日本ではほとんど販売されていませんが、海外では燃料に薪を使ったグリルも販売されています。
写真のグリルは、向かって右の箱のような部分が薪の燃焼室、左の背の高い箱がスモーカー(燻製室)になっているタイプ。
燃焼室で燃やされた薪の熱が煙突を兼ねたスモーカーに移動する間に、中央のBARREL型調理室に置かれたお肉をオーブン焼きのように調理します。
スモーカーに到達する頃には温度が下がっていますので、そちらでは燻製ができるという仕組みです。
薪を直接燃やしますので、チップを使わずとも調理とスモークが同時にできちゃいます。
腕があれば美味しい料理ができるのですが、結構なスキルが必要なためか、はたまた薪の調達が大変なためか、日本ではあまり一般的ではありません。
・ペレットグリル
木材を燃やす、という意味では薪グリルに近いですが、燃料は「木質ペレット」を使用します。
木質ペレットとは、粉状の木材(おが粉や木材の削り屑)を円筒状の細かいペレットに固めた固形燃料です。
ペレットグリルは、電気グリルの簡易性と薪グリルのメリットを併せ持ったグリルです。
木質ペレットを燃料室に入れ、電気式の機構で簡単着火、火力の調整も温度調整ダイヤルで燃料を送り込む量を自在に調整可能です。
スギ・ヒノキなどのペレットを使えばスモークも自在。
本格料理もばっちりです。
いいとこだらけのように見えるペレットグリルの最大の弱点は、コスト。
着火およびペレットの送り込みに電気式の機構を使用しているため、構造が複雑で本体のコストが上がります。
小型のものでも10万以上、大型のものでは30万円以上のものもあります。
また、重量も重く、着火や火力調整に電源が必要なため、移動やアウトドア環境には向きません。
基本は固定式、と思った方がいいでしょう。
・ガス式ラバロックグリル
ラバロックとは、溶岩石のこと。
基本はガスグリルなのですが、バーナーと焼き網の間に溶岩石を敷き詰めて、熱した溶岩石の遠赤外線効果で食材を焼き上げるグリルのことです。
ガスグリルのメリット(着火が早い、手入れが簡単)を活かしつつ、炭火のような遠赤外線効果で美味しく調理することを狙ったハイブリッドグリルと言えます。
家庭用のものも販売されていますが、飲食店やレストランで使われることも多いグリルです。
(東三河では結婚式場ベルアンジュールのガーデンバーベキュー挙式プランでこのグリルが活躍しています)
以上、マイナーどころも含め、様々なグリルをざっくり紹介してきました。
ここまで4回に渡りグリルの種類とメリット・デメリットを紹介していたわけですが、多岐に渡りすぎて「じゃあ、どんなグリルがいいの?」というのが分からなくなってきているんじゃないでしょうか(笑)
そこで次回、バーベ―キューグリルの選び方(5)では、「総まとめ!用途別グリルの選び方」と題し、様々なシチュエーション別にどんなグリルを選んだらいいのか?というお話をしたいと思います。
過去の記事はこちら!
↓↓↓
---------------------------------------------------------------------------------------------
愛知県・東三河エリアを中心に
「ホンモノのバーベキュー」の普及活動を頑張っています
バーベキューに関する質問・疑問にお答えします!
お気軽にご相談ください!
東三河スマートバーベキュー協会 会長 牧野 新一郎
090-7677-7474
live.makino@gmail.com
0コメント